eastbounder 東遇
清香斎二号院
「台北には、腰を下ろした途端、時間はそんなに急がなくてもいいのだと気づかせてくれる場所が、そう多くはありません。古い家も、お茶も、茶器も、庭も静かで、どれも丁寧に大切にされています。それは、ひとつの幸せのかたちです。」

杭州南路の路地に佇む清香斎二号院は、長年使われていなかった日本家屋を整え直して生まれた茶の空間です。古い家を新しく見せることも、華やかな東洋趣味を演出することもせず、家本来の尺度や時の痕跡、そして心地よい静けさを残し、台湾烏龍茶の茶道を体験できる場となっています。
何より印象的なのは、ここで過ごす一連の体験です。門をくぐり、まず歓迎のお茶をひと口いただき、自分の心に合う茶席を選ぶ。その流れのなかで自然と速度がゆるみ、目の前の一杯と時間そのものを、じっくり味わうようになります。二号院はここを「内へと歩む場」と表現していますが、それがこの場所を最もよく言い表しているのかもしれません。
